法務省で働く国家公務員の職員が、自宅から3時間半かかる遠方への異動は違法と訴えた裁判で、東京地方裁判所は異動命令を有効と判断した。職員は共働きで家事・育児の大部分を自身が担っており、家庭の事情を無視していると主張したが、同地裁は配偶者の勤務先と異動先の中間地点に住み、家事を分担する方法があると指摘、裁量権の逸脱・濫用はないとした。法務省は次世代育成支援法に基づく行動計画で、育児・介護に配慮した人事管理に努めると規定していたが、「努力目標を定めたものであり、配慮に著しく欠けるとまではいえない」としている。
提供:労働新聞社
(2021年1月25日)