2017(平成29)年3月、職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化のため、①求人時の採用条件明示の強化、②求人不受理対象の拡大などを盛り込んだ職業安定法の改正法(雇用保険法等の一部を改正する法律)が成立しました。①は2018(平成30)年1月1日に施行され、②は改正法公布日より3年以内施行とされていたところ、本年3月30日に施行されました。
②求人不受理対象の拡大は、ハローワークや職業紹介事業者等のすべての求人を対象に、一定の労働関係法令違反を繰り返す求人者等の求人を受理しないことを可能とするものです。職業安定法第5条の5(求人の申込み)が改正され、第1項の第1号から第6号において求人の不受理事由が具体化されるとともに、第2項において、ハローワークや職業紹介事業者等が不受理事由の有無を確認するために必要があると認めるときは求人者に報告(自己申告)を求めることができること、そして、第3項において、求人者は、この求めがあったときは、正当な理由がない限り応じなければならないことが定められました(第2項と第3項は新設条文です)。なお、正当な理由なく自己申告に応じないこと自体も不受理事由として定められています(第1項第6号)。
過去の労働関係法令違反に関する不受理事由は、「労働に関する法律の規定であって政令で定めるものの違反に関し、法律に基づく処分、公表その他の措置が講じられた者(厚生労働省令で定める場合に限る。)」(職業安定法第5条の5第1項第3号)と定められており、対象法令は政令で列挙されています(後掲厚生労働省作成リーフレット参照)。また、この対象法令には、本年6月1日より、同日施行のハラスメント関係の法改正(措置義務、不利益取扱いの禁止)も含まれます。
厚生労働省において、求人申込み時の自己申告の様式例(後掲)を公表していますので、ハローワーク等において求人を申し込む際には、このような自己申告が求められることを想定しておくとよいでしょう。
※厚生労働省パンフレット「求人企業の皆さまへ 改正職業安定法(求人不受理)について」:こちら
※求人申込み時の自己申告の様式例(厚生労働省公表)
:(令和2年3月30日~5月31日)はこちら
:(6月1日~)はこちら