「子の看護休暇・介護休暇の時間単位取得」

 育児介護休業法施行規則の一部を改正する省令(令和元年厚労省令第89号)と育児介護休業法に基づく指針の改正告示(令和元年厚労省告示第207号)が2019(令和元)年12月27日に公布され、子の看護休暇と介護休暇の時間単位取得が導入されることになりました。この改正は2021(令和3)年1月1日より施行・適用されます。育児介護休業法は制度としての導入を使用者に求めるものでありますので、既に法を上回る対応として時間単位取得を可能としている場合を除いて、就業規則(育児介護休業規程等)の変更が必要となります。
 子の看護休暇・介護休暇の取得単位について、育児介護休業法自体は、「厚生労働省令で定める1日未満単位で取得することができる」(子の看護休暇について16条の2第2項、介護休暇について16条の5第2項)と定めるに留まり、「1日未満単位」の具体的内容は、「厚生労働省令」たる同法施行規則に委ねるという構造になっています。現在は、同法施行規則上、「1日未満の単位は、半日(括弧内引用省略)であって、始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続するものとする」(子の看護休暇について34条1項、介護休暇について40条1項)と定められています。この部分が今回の改正により「1日未満の単位は、時間(1日の所定労働時間数に満たないものとする。)であって、始業の時刻から連続し、又は終業の時刻まで連続するものとする」となりました(太字が改正部分)。よって、時間単位取得といっても、就業時間中の中抜けを認められなければならないわけではありません(ただし、厚労省のリーフレット「子の看護休暇・介護休暇が時間単位で取得できるようになります!」には、「法を上回る制度として、「中抜け」ありの休暇取得を認めるように配慮をお願いします。」との記載があります)。また、改正の施行後は、1日単位又は時間単位での取得を認めればよく、1日単位、半日単位及び時間単位の3つを用意することは必須ではありません。
 厚労省は「子の看護休暇・介護休暇の時間単位での取得に関するQ&A」も公表しています。所定労働時間に1時間未満の端数部分がある場合(例えば、所定労働時間が7時間30分である場合など)に、何時間分の休暇で「1日分」となるのかなどの考え方について詳解されています。
(第一芙蓉法律事務所 弁護士 町田悠生子)

 

(2020年2月18日 更新)

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