2019年10月12日に日本を襲った台風第19号の被災者に向けて、厚労省は、災害への対応をまとめたWebページに「令和元年台風第19号について」を新たに設けて情報発信を開始しました。情報は、健康・医療、介護・福祉、雇用・労働、年金に分類されています。
雇用・労働の部分には、「令和元年台風第19号による被害に伴う労働基準法・労働契約法に関するQ&A」や「令和元年台風第19号に伴う派遣労働に関するQ&A」などが掲載されています。
労働基準法・労働契約法に関するQ&Aでは、休業手当(労基法26条)、賃金の非常時払(同25条)、1年単位の変形労働時間制に関する労使協定の再締結、災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働(労基法33条)、台風後の対応により36協定で定めた延長時間を超えることが予想される場合の取扱い、年次有給休暇、台風による売上減少に伴う賃金減額の可否、雇用調整助成金などについて紹介されています。なお、現在公開されているのは10月16日版であり、今後、必要に応じて更新されていくとのことです。
派遣労働に関するQ&Aでは、派遣労働者からの相談、派遣会社からの相談および派遣先からの相談の3つに分けて、休業手当の要否、労働者派遣契約の中途解除、労働者派遣契約の一時的な履行停止、本来の派遣業務とは別の業務への従事等の問題について解説されています。
災害への対応をまとめたWebページでは、令和元年のものだけで、6月18日の山形県沖を震源とする地震、8月の前線に伴う大雨、台風第15号、台風第17号、そして台風第19号と、5つもの災害に関する情報が掲載されています。備えあれば憂いなしということで、台風第19号による影響を受けていない事業所においても、平時のうちにQ&Aに一通り目を通して災害時の雇用に関する考え方を整理しておくことは有用と思われます。
なお、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡の各労働局では、台風第19号に関する特別相談窓口が開設されています。
(五三・町田法律事務所 弁護士 町田悠生子)
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