就業規則・別条件で合意成立を認めず 会社の説明一切なく――東京高裁

 千葉県内の運送会社で働く労働者が残業代の支払いを求めた裁判で、東京高等裁判所(佐々木宗啓裁判長)は、完全歩合制の合意成立を認め、請求をすべて棄却した一審判決を取り消し、同社に230万円の支払いを命じた。同社は就業規則で「賃金は基本給、諸手当、割増賃金」で構成するとし、完全歩合制の規定を設けていなかった。同高裁は就業規則と異なる労働条件成立に当たっては、労働者の同意だけでなく、自由意思に基づく同意と認められる客観的・合理的な理由が必要と指摘。同社は具体的な説明をしておらず、完全歩合制が就業規則の条件より有利なのか不利なのかを判断できなかったとして、合意成立は認められないとした。

 

提供:労働新聞社

(2025年02月10日)

 

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