年頭所感(抜粋) 厚生労働大臣 福岡 資麿
年頭所感
(はじめに)
令和七年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。本年も何とぞよろしくお願い申し上げます。
厚生労働大臣に就任し、約三か月が経ちました。この間、国民の皆様の安全・安心の確保に万全を期すことにより経済活動の安定に資するよう努力してまいりました。引き続き、私自身が先頭に立ち、厚生労働省一体となって様々な課題に全力で取り組んでまいります。
(持続的な賃上げ)
持続的・構造的な賃上げを実現するため、引き続き、三位一体の労働市場改革を進めつつ、最低賃金については、二〇二〇年代に全国平均千五百円という高い目標に向かって、たゆまぬ努力を続けます。中小企業等が賃上げしやすい環境整備に向け、関係省庁と連携し、生産性向上支援や価格転嫁対策の徹底等に取り組んでまいります。
(年収の壁、年金制度改革)
いわゆる「年収の壁」を意識せずに働くことができる環境づくりのため、「年収の壁・支援強化パッケージ」について、申請書類の簡素化、審査の迅速化、ワンストップ相談体制の整備によって、社会保険の対象となる短時間労働者の方々をきめ細かく支援してまいります。
また、公的年金制度については、昨年十二月の社会保障審議会年金部会等の取りまとめに基づき、働き方に中立な制度とする観点や、年金の所得保障機能、所得再分配機能の強化を図る観点から、制度の見直しに取り組むとともに、高齢期に向けた資産形成を支援し、多様な働き方やライフコースに対応する観点から、私的年金制度の見直しにも取り組んでまいります。
(多様な人材の活躍促進、職場環境改善)
職場における女性活躍を推進するため、男女間の賃金差異に関する情報公表の義務を従業員百一人以上の企業に拡大することについて検討するとともに、いわゆるカスタマーハラスメントや就職活動中の学生等に対するセクシュアルハラスメントといった職場におけるハラスメント対策の強化について検討を進めてまいります。
年齢にかかわらず働くことができる社会の実現に向けて、七十歳までの就業機会の確保に取り組むとともに、外国人労働者に対する就職支援の強化、働きやすい環境整備等に取り組んでまいります。また、育成就労制度の円滑な施行に向け、出入国在留管理庁等と連携してまいります。
また、非正規雇用労働者の方々の正社員への転換や、同一労働同一賃金の更なる遵守徹底などによる処遇改善に取り組むとともに、いわゆる就職氷河期世代を含む中高年層の方々に対し、就労や社会参加を支援してまいります。
多様な人材が安心して働き続けられる環境を整備するため、個人事業者や高年齢労働者の安全衛生対策の推進、ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策の強化等を進めてまいります。働く人の意識や働き方の多様化を踏まえつつ、今後の労働基準関係法制の見直し等に向け、検討を進めてまいります。
仕事と育児・介護の両立に向けた環境の整備、安心して副業・兼業に取り組むことができる環境の整備、テレワークの普及、フリーランスの方々が安心して働くことができる環境の整備を更に進めてまいります。
そのほか、社会経済の変化に対応しつつ、厚生労働省に対する要請に適時・的確に応えることができるよう、山積する課題に果断に取り組んでまいります。
おわりに、本年が、国民の皆様お一人おひとりにとって、実り多き素晴らしい一年となりますよう心よりお祈り申し上げ、年頭に当たっての私の挨拶といたします。
令和七年元旦
厚生労働大臣 福岡 資麿