東京都内の運送会社で働く労働者5人が、給与体系変更などを不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(小原一人裁判長)は変更を無効と判断した。同社は10種類以上あった手当を整理し、基本給、愛社手当、定額残業代、通勤手当の4つで構成する新給与体系を提案。説明会を開き労働者らの同意を得たが、給与水準は変わらないとする一方、残業代の計算基礎となる基礎賃金減少を十分説明しなかった。同地裁は労働者らが不利益発生を認識し得たとは到底いえないと指摘。自由意思に基づく同意と認められる客観的・合理的な理由がなく、同意は無効とした。
提供:労働新聞社
(2024年03月11日)