アメリカン・エキスプレスで部長職として働く女性労働者が、育児休業復帰後に部下を0人にされたことなどを不服とした裁判で、東京高等裁判所(永谷典雄裁判長)は、同社の対応を均等法と育介法が禁じる不利益取扱いのほか、人事権濫用、公序良俗違反に当たると判断した。労働者は女性管理職のロールモデルとされ、37人の部下を擁していたが、復職後は部下なしの部長相当職となり、電話営業を命じられた。同高裁は妊娠前と比べると、業務内容の質が著しく低下していると指摘。キャリア形成に対する期待感を害したとして、慰謝料など計220万円の支払いを命令した。
提供:労働新聞社
(2023年5月23日)