JR東海の新幹線の運転士6人が、時季変更権の行使により年次有給休暇を取得できなかったのを不服として訴えた裁判で、東京地方裁判所(片野正樹裁判長)は同社に54万円の支払いを命じた。同社は前月20日までに年休申請をさせ、各日の5日前に時季変更権行使を決める運用を採用していた。同地裁は、使用者には時季指定日の相当期間前までに時季変更権を行使する労働契約上の付随義務があると指摘。5日前の決定は行使を判断するのに必要な合理的期間を超えているとした。恒常的な人員不足の状態で時季変更権を行使した点も債務不履行に当たるとしている。
提供:労働新聞社
(2023年4月17日)