警備業大手のテイケイ(株)で働いていた労働者が退職強要を受けたと訴えた裁判で、東京地方裁判所は退職の意思表示の錯誤無効を認め、労働契約上の地位確認とバックペイ支払いを命じた。判決によると、同社は令和元年5月9日の終業後に労働者をホテルに連れて行き、遅刻を申告せずその分の賃金を受け取っていたのは詐欺罪に当たるとの虚偽説明をし、「去る者追わずっていうのはある」などと告げた。同地裁は、労働者は退職届を書かなければ警察に連れて行かれると誤信していたと指摘。意思表示は錯誤に基づくものとして、無効と判断した。
提供:労働新聞社
(2022年4月18日)