就業規則の周知を否定 固定残業代と認めず――東京高裁

 派遣会社でトラック運転者として働いていた労働者2人が未払い残業代の支払いなどを求めた裁判で、東京高等裁判所は「運行時間外手当」などを固定残業代と認めた一審判決を変更し、同社に計380万円の支払いを命じた。手当は就業規則で残業への対価と明示されていたが、周知が図られておらず、労働契約の内容にならないと指摘。通常の労働時間の賃金に当たるため、残業代が支払われていないと判断した。同社は就業規則を額縁に入れ掲示していたと主張したが、同高裁は「かなりの厚さ(45枚)のあるものを額縁で掲げるのは不自然」と退けている。同社に計380万円の支払いを命じた。

 

提供:労働新聞社

(2022年3月28日)

 

一覧へ戻る