4月25日から東京都、大阪府、兵庫県及び京都府は再び緊急事態宣言下となりました。これにより新型コロナウイルス感染症による雇用や人事管理への影響が一層拡大するものと予想されます。今回は、雇用調整助成金の運用等に関する議題が取り上げられた労働政策審議会職業安定分科会(第163回・4月16日オンラインによる開催)についてご紹介します。
主な議題は、①雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱並びに新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱、②労働者派遣法施行規則の一部を改正する省令案要綱、及び③履歴書の様式例の作成でした。
①は、2021年5月・6月の雇用調整助成金や休業支援金などの運用について定めるもので、概要は下表のとおりです。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域外では、5月以降、助成が縮減されることがわかります。
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②は、新型コロナウイルス感染症のワクチンの予防接種業務に係る人材確保のための特例措置として、看護師及び准看護師が行う医療関連業務のうち、当該予防接種業務に係る労働者派遣については、厚生労働大臣が指定する期日又は期間に限り、当該予防接種を行う病院又は診療所において行うことができるものとするものです。
③は、新型コロナウイルス感染症とは関連しない動きです。厚生労働省は、公正な採用選考を確保するため、履歴書に関し、JIS規格の様式例の使用を推奨していましたが、2020年7月、LGBT当事者を支援する団体から、性別欄の削除等を求める要請がありました。これを契機に、JIS規格の様式例全体が削除されたため、厚生労働省が公正な採用選考に沿う参考様式を新たに公表することとしたものです。主な変更点は、性別欄を任意記載欄としたこと、通勤時間・扶養家族数(配偶者を除く)・配偶者・配偶者の扶養義務の各項目を削除したことです。なお、この様式例を使用するかどうかは個々の企業において自由に判断することができます。
※第163回労働政策審議会職業安定分科会資料(以下「分科会資料」):こちら
※[①関係]雇用調整助成金に関する省令改正案概要(分科会資料):こちら
(上表はこれを参照して作成しました。)
※[①関係]休業支援金に関する省令改正案概要(分科会資料):こちら
※[②関係]省令改正案概要(分科会資料):こちら
※[③関係]新たな履歴書の様式例の作成について:こちら