大成建設(株)で働いていた労働者が留学費用と相殺された賃金の支払いを求めた裁判で、東京地方裁判所(和田山弘剛裁判官)は相殺を有効と認め、相殺後の残金730万円の返還を労働者に命じた。労働者は同社の社外研修制度で海外の大学に留学したが、復職後1カ月も経たないうちに自己都合退職した。両者は復職後5年以内に自己都合退職した場合は留学費用を返還し、賃金との相殺についても異議を申し立てないとする誓約書を交わしていた。同地裁は、労働者は自由意思で相殺に合意したと指摘。労働基準法が定める全額払い違反はなく、相殺は有効と判断した。
提供:労働新聞社
(2022年5月23日)