季刊労働法208号(2005/春季)

特集:労働におけるCSR

ここ数年、CSR(企業の社会的責任)がさまざまな場面で使われるようになり、労働法・労働問題においても厚生労働省「労働におけるCSRのあり方に関する研究会」が発足して研究が進んでいる。 従業員をステイクホルダー(利害関係者)として位置づけ、企業に公正な対応を求める思考は新しいものであり、それに対応して企業が労働者との関係におけるガバナンスを志向することは従来とは異なった労働労使関係の視点を提示できるものと言える。  そこで、今回の特集においては、労働法・労働問題を考える際にCSRの概念が、どれだけ有効で、労働関係における理論にどのような展開を与えうるのかを、多彩な執筆人の論文によって考えてみたい。

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目次

特集:労働におけるCSR

■我が国におけるCSRと労働法

―厚労省の中間報告を視野に入れて―

京都大学大学院地球環境学堂助教授 小畑 史子

■CSR(企業の社会的責任)概論

麗澤大学外国語学部教授 同企業論理研究センター副センター長 梅田 徹

■CSRとILO国際労働基準の関連とその方向性

創価大学経営学部教授 栗山 直樹

■SRIと労働問題

住友信託銀行 年金運用部 金井 司

■人権とCSR

反差別国際運動(IMADR)事務局長 森原 秀樹

■CSRにおける公益通報者保護法の意義と課題

弁護士 中村 博

 

第2特集 外国人労働者問題の現在

●対談 外国人労働者受入の国家戦略に向けて

一橋大学大学院教授 依光 正哲

東京学芸大学教授   野川 忍

●外国人労働者問題の展望―国際比較の観点から―

早稲田大学教授 鈴木 宏昌

●非正規滞在外国人労働者の現状について

労働政策研究・研修機構 渡邊 博顕

 

【研究論文】

フランスにおける精神的ハラスメントの法理

獨協大学教授 石井 保雄

ドイツの州公務員代表法および大学教職員の待遇

岡山大学教授 藤内 和公

 

【連載】

知的財産法と労働法(第4回) 職務著作(1)

法政大学教授 永野 秀雄

労働法の立法学(第5回) 過労死・過労自殺と個人情報

東京大学大学院法学政治学研究科付属比較法政国際センター客員教授

濱口 桂一郎

【筑波大学労働判例研究会】

営業譲渡後、 譲渡先に転籍した譲渡元の従業員についての労働契約承継の有無と成果主義に

よる降給の効力

エーシーニールセン・ コーポレーション事件/東京地裁平成16年3月31日判決

筑波大学大学院博士課程 佐藤 等

 

【書評】

西谷 敏著「規制が支える自己決定」

関西大学法科大学院教授 川口 美貴

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