季刊労働法258号(2017/秋季)

特集:「働き方改革」はどこへ向かうのか

●「働き方改革国会」と言われた今年の通常国会。労働関係の重要法案については,秋の臨時国会以降に持ち越しになりますが,年休,上限規制,インターバル規制,労働時間管理については,さらに詳細な検討が必要でしょう。特集では上記の論点を取り上げます。
●今年5月,地方公務員法及び地方自治法の一部を改正する法律案が可決・成立しました。第2特集では今回の法改正の意義,さらに,法改正で見えていないものは何か,そして,非正規公務員の格差問題,公務部門におけるアウトソーシング化の状況と労働法上の諸問題について,議論します。

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「働き方改革」はどこへ向かうのか

働き方改革の実現に向けて

内閣官房働き方改革実現推進室内閣参事官 武田康祐

労働時間の上限規制とインターバル規制

労働政策研究・研修機構労働政策研究所長 濱口桂一郎

いつになったら先進国並みの年休制度に

名古屋大学教授 和田 肇

労働時間規制と行政上の履行確保

社会保険労務士・駒澤大学非常勤講師 北岡大介

第2特集 公務労働をめぐる最近の動向

地公法・自治法改正と非正規公務員

~日独英韓の公共部門の非正規化状況~

(公財)地方自治総合研究所研究員 上林陽治

格差を生み出す制度のカベ

自治体臨時非常勤職員の労働安全衛生

自治労埼玉県本部教育センター所長 山下弘之

公務員法の適用範囲と争議行為規制

早稲田大学教授 清水 敏

■論説■

平成29年改正雇用保険法の意義と課題

大阪大学准教授 地神亮佑

■アジアの労働法と労働問題 第30回■

アジア諸国の労働法にみる制度と実態の乖離

――ミャンマー,カンボジア,ベトナムの労働法を中心に

労働政策研究・研修機構調査部海外情報担当主任調査員補佐 北澤 謙

■イギリス労働法研究会 第26回■

修復的正義(restorative justice)とは何か

―その思想・哲学,理論,そして労働法学との接点についての素描―

法政大学現代法研究所客員研究員 滝原啓允

■文献研究労働法学 第21回■

兼業・副業

(公財)世界人権問題研究センター専任研究員 河野尚子

■研究論文■

コンビニ加盟店の店舗従業員に対する本部(フランチャイジー)の「労組法上の使用者性」

弁護士 澤木謙太郎

ドイツ法における有期労働政策とその効果

立正大学准教授 高橋賢司

勤務間インターバルが労働者のワーク・ライフ・バランスに与える効果

一橋大学大学院教授 島貫智行  中央大学大学院教授 佐藤博樹

■判例研究■

定年後再雇用された有期労働契約者への賃金引下げが労働契約法20条に違反しないとされた例

長澤運輸事件(東京高裁平成28年11月2日判決労判1144号16頁,判タ1432号77頁(参考:東京地裁平成28年5月14日判決労判1135号11頁))

弁護士 上田絵理

作業単位で雇用されていたアルバイト従業員の過労死と使用者の安全配慮義務の成否

山元事件(平成28年11月25日大阪地方裁判所,平成25年(ワ)第6014号,損害賠償請求事件,一部認容・一部棄却〔控訴後和解〕,労働判例1156号50頁)

労働政策研究・研修機構研究員 山本陽大

■キャリア法学への誘い 第10回■

キャリア後半の学習促進

法政大学名誉教授 諏訪康雄

●重要労働判例解説

賃金未払いと取締役の損害賠償責任

ブライダル関連会社元経営者ら事件(鳥取地判平28・2・19労判1147号83頁)

日本大学准教授 南 健悟

大学教員の定年後再雇用と労契法19条の類推適用

学校法人尚美学園(大学専任教員B)事件(東京地判平28・11・30労判1152号13頁)

日本大学教授 新谷眞人

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