季刊労働法56号(1965/夏季)
目次
労働法問題の焦点
立法と司法に対する“組合の権利闘争”の条件
東京都立大学教授 沼田 稲次郎
「歪」修正期と賃銀問題
一ツ橋大学名誉教授 山中 篤太郎
未成年者の労働契約締結をめぐって
成蹊大学助教授 瀬元 美知男
「管理職等の範囲」覚え書き
早稲田大学助教授 中山 和久
「職制」の体制づくりとその活動
不当労働行為の成否をめぐって
東京都立大学助教授 籾井 常喜
■判例研究
組合役員の立入阻止・組合掲示物の無断撤去・組合集会に対する監視等
全逓延岡郵便局事件 公労委、昭40・3・8命
京都大学教授 片岡 昇
職場点検闘争における目的・手段の正当性の限界
全逓安西郵便局控訴事件 東京高裁、昭和40・1・28判
金沢大学教授 佐藤 進
対抗的ロツクアウトと労調法第37条の予告
パン・アメリカン航空会社事件 都労委、昭39・12・18警告 ノース・ウエスト航空会社事件 都労委、昭39・12・18通告
慶応義塾大学助手 金子 晃
■特殊争議戦術の法理
リボン・腕章・たすき・はちまき
和歌山大学教授 後藤 清
ビラ配布・ビラ貼り・懸垂幕
島根大学教授 近藤 正三
順法闘争 安全・点検闘争
早稲田大学教授 島田 信義
残業拒否・定時出退勤
金沢大学教授 三島 宗彦
部分スト その諸型態
関西学院大学教授 安屋 和人
■書評
孫田 秀春 常盤 敏太著「新訂労働法通義」
紹介と批評 労働の人格性理論の展開
神戸大学教授 久保 敬治
舟橋 尚道著「賃金論研究」
紹介と批評 「価値論」論争の問題点を集約
法政大学講師 小池 和男
戸木田嘉久著「現代の合理化と労働運動」
紹介と批評 資本主義的合理化の本質をえぐる
法政大学教授 田沼 肇
高梨 昌著「現代日本の労働問題」
多面的に労働市場を論じた問題作
八幡大学助教授 清山 卓郎
■用語解説
失業保険法改正問題
大手
“白ろう病”
大手
中高年令者の適職
大手
事業内職業訓練
大手
「ビラ貼り」行為による被害法益の本質
軽犯法1条33号違反罪の罪質性
静岡大学教授 熊倉 武
不安定就労の規制と使用者の責任
港湾労働法の基調なるもの
国立国会図書館労働課 河越 重任
■法律相談
年次有給休暇
学習院大学教授 宮島 尚史
■労働判例ダイジェスト
ロックアウトと賃金請求権[昭和38年度分]
西日本自車車事件
第一組合のストと第二組合員の賃金請求権、休業手当と附加金の請求[昭和38年度分]
明星電気事件
営業譲渡と労働契約関係の承契[昭和38年度分]
日伸運輸事件
出張命令拒否を理由とする懲戒解雇の効力。支配介入行為の成否と使用者の意図[昭和38年度分]
日本金属事件
自動車、検査証、エンジン・キイの組合保管の限界[昭和39年度分]
北海小型タクシー事件
臨時工の雇用契約の更新および拒否の効力[昭和39年度分]
三菱電機神戸製作所事件
駐留軍直用労務者の間接雇用切り替えおよび国との雇用関係の存在の有無[昭和39年度分]
米軍食堂労務者解雇事件
労基法24条と賃金、退職金の譲渡の効力[昭和39年度分]
電々公社事件
協約改訂案の提示遅延の効力[昭和39年度分]
三井三池協約改訂抗告事件
賃金カットの時期と労基法24条[昭和39年度分]
高知県教職員組合控訴事件
車輌の占有と争議行為の正当性の限界[昭和39年度分]
川越乗用自動車控訴事件
団交拒否理由の不当性[昭和39年度分]
佐賀専門店会事件
夏期一斉休暇協定の効力[昭和39年度分]
三菱造船広島精機製作所事件
精神状態を理由とする本採用拒否と権利の濫用[昭和39年度分]
ソニー厚木工場事件
除名の無効とユニオンショップの効力[昭和39年度分]
日本合同トラック事件
組合の訴訟当事者適格の有無。組合の専従強行を理由とする臨時工の契約更新拒絶の効力[昭和39年度分]
三菱造船長崎造船所事件
昇格辞令の拒否を理由とする解雇の効力[昭和39年度分]
サンウェーブ工業事件
海上における違法ピケと組合幹部の刑事責任[昭和39年度分]
三井三池鉱業所事件
転勤命令を拒否している労働者に仮処分により転勤命令に応ぜよとの就労義務の履行を求めることの適否[昭和39年度分]
三協精機製作所事件
日本労働法学会 第29回大会記事
慶大 金子 晃