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最新刊
労働判例ジャーナル152号(2024年・11月)
《注目の判例》
家事使用人の該当性判断
国・渋谷労基署長(家政婦兼訪問介護ヘルパー)事件
本件は,訪問介護事業及び家政婦紹介あっせん事業等を営む本件会社に家政婦兼訪問介護ヘルパーとして登録されていた女性が平成27年5月20日から同月27日朝までの7日間にわたり要介護者宅に住み込み,訪問介護ヘルパーとして訪問介護サービスを提供する業務(本件介護業務)に従事したほか,家政婦として家事及び介護を行う業務(本件家事業務)に従事するなど24時間対応を要する過重な業務に就いたことに起因して勤務終了日後ほどなく急性心筋梗塞又は心停止(本件疾病)を発症し,同月28日未明に死亡が確認されたと女性の夫が(本件夫)渋谷労働基準監督署長(処分行政庁)に対し,労災保険法に基づく遺族補償給付などを請求したところ,処分行政庁は,女性については労基法116条2項所定の「家事使用人」に該当するので労基法及び労災保険法は適用されないという理由で上記の保険給付をいずれも不支給とする旨の本件各処分をしたので,本件夫が,本件各処分には違法があると主張して,国に対し,その取消しを求める事案である。
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100号に寄せてご祝辞
早稲田大学 教授 島田 陽一 様
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同志社大学 教授 土田 道夫 様
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成蹊大学 教授 原 昌登 様
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杜若経営法律事務所 弁護士 向井 蘭 様
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年間利用料 | 26,400円(24,000円+税) |
バックナンバー一覧
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労働判例ジャーナル102号(2020年・9月)
- 注目判例:
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嘱託職員と正社員との基本給・賞与の相違と労契法20条
トーカロ事件
ポイント
本件は,金属等の表面処理加工等を業とする会社(従業員560名)に期間1年の期間の定めのある労働契約により雇用され,21回の更新を経ている女性従業員が,基本給及び賞与が正社員よりも低額であり,地域手当を支給されなかったことが労契法20条に違反するとして会社を訴えた事案である。
労契法20条を巡っては,周知のようにすでに最高裁判決もあり(ハマキョウレックス事件・最判平30・6・1,民集72巻2号88頁,長澤運輸事件・最判平30・6・1),また,多くの下級審裁判例の登場を見ている。ただし,労働条件の相違が争われたのは,各種手当が多く,基本給,賞与という賃金制度の根幹部分については,正面から判断された事案は必ずしも多くなく,また,その判断も統一されていない。このような状況の中で,本件は,基本給,賞与の相違が主たる争点となった事例として注目される… -
労働判例ジャーナル101号(2020年・8月)
- 注目判例:
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人員整理目的の有期労働契約の雇止め
グリーントラストうつのみや事件
ポイント
本件は,自然環境保護を目的とする「公益財団法人グリーントラストうつのみや」(以下,「本件財団」という。)に有期労働契約の反復更新により継続的に勤務していた非常勤嘱託員(以下,「本件非常勤」という。)が,無期転換申込権の発生を前にして雇止めされたことについて,これを違法として,地位確認などを請求した事件である。労契法の無期転換申込権については,使用者がその発生を回避するために,雇止めを行うことが懸念されていたが,本件は,まさにそれが現実化したものと言える。
労契法の適用がない公務員における非常勤職員の地位は… -
労働判例ジャーナル100号(2020年・7月)
- 注目判例:
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認定基準に満たない時間外労働と過労死の業務起因性判断
国・高松労基署長(富士通)事件
ポイント
本件は,大手電機メーカーに営業職として20年余り勤務した女性労働者がく
も膜下出血により死亡したことについて,業務起因性の有無が争われた事案で
ある。遺族からの労災保険法に基づく遺族補償一時金などの請求に対し,高松
労基署長が,脳・心臓疾患の労災認定基準に示す業務による明らかな過重負荷
が認められないとして不支給決定とした。これを不服とする遺族が不支給決定
の取消しを求めて提訴した。1審判決(高松地判令元・5・31,LEX/DB文献
番号25565458)は… -
労働判例ジャーナル99号(2020年・6月)
- 注目判例:
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退職勧奨における発言の違法性
日立製作所事件
ポイント
本件は,大手総合電機メーカーでの退職勧奨の違法性が争点となった事案である。退職勧奨をめぐる法的紛争は,古くから存在するが,最近では,本件のように,退職勧奨の過程にパワー・ハラスメントがあったと主張されることが多い。パワー・ハラスメントについては,昨年,労働施策総合推進法(旧雇用対策法)の改正により…
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労働判例ジャーナル98号(2020年・5月)
- 注目判例:
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歩合給から割増賃金額を差し引く賃金制度の違法性
国際自動車(差戻し)事件
ポイント
本件は,タクシー運転手の歩合給から時間外労働に対する割増賃金を差し引く賃金制度の適法性が争われた事案であるが,東京高裁(平30・2・15,本誌73号)は,差し戻し審において,本件賃金規則においては,通常の労働時間の賃金に当たる部分と同条の定める割増賃金に当たる部分とが…
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労働判例ジャーナル97号(2020年・4月)
- 注目判例:
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従業員の業務中の事故に対する賠償と使用者に対する求償
福山通運事件
ポイント
本件は,大手貨物運送会社に勤務する運転手の業務中に起こした死亡事故について,自らが支払った賠償金などについて,会社に求償を求めたという事案である。原審判決(大阪高裁平30・4・27)は,被用者が第三者に損害を加えた場合は,費用者が損害の全額について賠償する責任があり,民法715条1項の規定は,損害を被った第三者が被用者から損害賠償金を回収できないという事態に備え,使用者にも損害賠償義務を負わせることとしたものであって,この規定が被用者の使用者に対する求償を認める根拠とはならないとして,運転手の請求を棄却した。
これに対し本判決は… -
労働判例ジャーナル96号(2020年・3月)
- 注目判例:
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性同一性障害者の性自認に対応するトイレの自由利用に対する制限の違法性
経済産業省職員(性同一性障害)事件
ポイント
本判決は,性同一性障害の経済産業省職員(以下,「本件職員」という)が自己の性自認する性別に対応するトイレの自由利用を制限する庁舎管理権に基づく経済産業省の措置が違法であり,国家賠償法に基づき損害賠償を求めたものである。また,本件職員は,経済産業省がとったトイレの利用制限を中止することなどについて人事院に措置要求をしていたが(国家公務員法86条参照),本判決は,人事院がこの措置要求を認めなかったことを裁量権の逸脱として,人事院の判定を取り消した…
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労働判例ジャーナル95号(2020年・2月)
- 注目判例:
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中途採用者の内定取消しの適法性
ドリームエクスチェンジ事件
ポイント
本件は,旅行業での勤務経験を生かして,旅行業等を行う会社の入社試験を受け,採用内定(以下「本件採用内定」という。)を得た中途採用者が,その後,会社から内定を取り消されたが(以下「本件内定取消」という。),本件内定取消を採用内定当時知ることができず,また知ることが期待できないようなものであって,取り消すことが解約権留保の趣旨,目的に照らして客観的に合理的と認められ,社会通念上相当として是認することができない事実に基づきなされたものであるから無効であるとして,会社との労働契約が成立しているとして,会社に対する労働契約上の地位確認及び賃金の支払を求めた事案である…
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労働判例ジャーナル94号(2020年・1月)
- 注目判例:
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育児のために正社員から契約社員に移行した女性従業員の正社員への復帰の可否
ジャパンビジネスラボ事件
ポイント
本件の女性従業員は、保育園が決まらないことから、育児休業終了後、正社員から契約社員に移ることを会社と合意した(以下、「本件合意」とする。)。女性従業員は、会社に子を入れる保育園が見つかったとして,正社員に復帰するよう求めた。女性従業員のこのような申入れを行ったのは、先の契約社員に移る合意について、正社員に復帰できることが前提であり、正社員としての契約が終了したと認識していなかったからである。しかし、会社は、正社員としての契約が終了していることを前提に、この申出を拒否した。そして、その後女性従業員の契約社員としての有期労働契約を雇止めした。そこで、女性従業員が、正社員としての地位などを求めて会社を訴えたのである。…
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労働判例ジャーナル93号(2019年・12月)
- 注目判例:
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内縁関係を理由とする配転と権利濫用法理
島根県水産振興協会事件
ポイント
本件は,内縁関係にある夫婦が同じ職場で就労していたところ,夫を別の事業場に配置転換させたことの適法性が争われた事例である。原審の松江地裁判決(平30・6・25本誌79号8頁)は,本件配転命令について,業務上の必要性を踏まえた合理的な判断によるものであることなどから有効と認められるとした。これに対して,本判決は,内縁関係にある夫婦の一方を移動させる本件配転命令は,業務上の必要性がなく,不当な動機,目的に基づいてされたものとして,配転命令権の濫用であるとして本件配転命令を無効とした…