労働判例ジャーナル108号(2021年・3月)
■注目判例
従業員の過労死に関する取締役の責任
サンセイ事件
■ポイント
本件は,長時間労働の放置による脳出血を直接的死因とする高血圧の基礎疾患を有する従業員の死亡に関する遺族による会社および取締役に対する損害賠償請求である。本事案では,別途労働基準監督署長による労災認定がなされており,また,会社の安全配慮義務違反が認められた事例は珍しくない。本件の特徴は,いわゆる過労死事案において,会社だけではなく,取締役の損害賠償責任が認められたところにある。
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目次
◆ 従業員の過労死に関する取締役の責任
サンセイ事件
東京高裁(令和3年1月21日)
◆ 大学法人に対するパワハラ等に基づく慰謝料等請求
国立大学法人徳島大学事件
高松高裁(令和2年11月25日)判決
◆ 業務指示に従わないこと等を理由とする解雇の有効性
豊田中央研究所事件
名古屋地裁(令和2年11月24日)判決
◆ 労基法19条1項違反に基づく解雇無効地位確認等請求
中央自動車工業事件
大阪地裁(令和2年11月19日)判決
◆ 組合員の懲戒処分無効確認等請求
長崎自動車事件
福岡高裁(令和2年11月19日)判決
◆ 就業規則の定めと解雇無効地位確認等請求
社会福祉法人柏涛会事件
徳島地裁(令和2年11月18日)判決
◆ 児童の個人情報の漏洩等を理由とする懲戒免職処分等取消請求
熊本県・熊本県教委事件
熊本地裁(令和2年11月11日)判決
◆ 海保大元学生らの国に対する損害賠償等請求
国・海保大事件
福岡高裁(令和2年11月10日)判決
◆ 相殺無効に基づく未払退職手当等支払請求
独立行政法人国立病院機構事件
東京地裁(令和2年10月28日)判決
◆ 管理監督者該当性と未払賃金等請求
アクレス事件
東京地裁(令和2年10月15日)判決
◆ 人事権濫用・安全配慮義務違反に基づく損害賠償等請求
多摩市事件
東京地裁(令和2年10月8日)判決
◆ セクハラ・パワハラに基づく慰謝料等請求
奈良市事件
大阪高裁(令和2年10月1日)判決
◆ 団交申入れに関する労組法7条の「使用者」該当性
国・中労委(国際基督教大学)事件
東京高裁(令和2年6月10日)判決
◆ 小指負傷による業務遂行不能を理由とする解雇の有効性
東京キタイチ事件
札幌高裁(令和2年4月15日)判決
◆ 学生運動関与秘匿を理由とする分限免職処分の有効性
京都府事件
京都地裁(令和2年3月24日)判決
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