労働判例ジャーナル107号(2021年・2月)

■注目判例

違法な労働審判の口外禁止条項と国家賠償請求

労働審判(口外禁止条項)事件

■ポイント

 本件は,労働審判において,労働審判委員会が,訴えを起こした労働者に口外禁止条項を付した内容での調停を試みたところ,当該労働者からこれを拒否されたにもかかわらず,口外禁止条項を含む労働審判を行ったことに対して,当該労働者がこの労働審判が労働審判法20条1項および2項に違反し,表現の自由(憲法21条),思想良心の自由(同19条)及び幸福追求権(同13条)を侵害し,当該労働者に精神的損害を生じさせたと主張して,国に対し国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求を請求した事案である。
 このような事案が裁判例として公刊されるのは初めてであり注目に値しよう。

年間購読料:29,700円(27,000円+税)※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です

目次

◆ 違法な労働審判の口外禁止条項と国家賠償請求

労働審判(口外禁止条項)事件

長崎地裁(令和2年12月1日)

◆ 密輸未遂行為を理由とする懲戒免職等処分取消請求

大阪市・大阪市長事件

大阪地裁(令和2年10月28日)判決

◆ 熱中症発症に対する県の安全配慮義務違反の成否

愛知県事件

名古屋地裁(令和2年10月26日)判決

◆ 大学教授の懲戒解雇無効地位確認等請求

学校法人梅村学園事件

名古屋地裁(令和2年10月26日)判決

◆ 上司らの退職強要発言等に基づく損害賠償等請求

東武バス日光事件

宇都宮地裁(令和2年10月21日)判決

◆ 派遣教員の派遣元に対する損害賠償等請求

イスト事件

大阪地裁(令和2年10月15日)判決

◆ つきまとい行為を理由とする懲戒処分等の有効性

公立小浜病院組合事件

福井地裁(令和2年10月7日)判決

◆ 国立大学元准教授の更新拒絶無効地位確認等請求

国立大学法人東北大学事件

仙台高裁(令和2年10月6日)判決

◆ 自宅待機命令中の未払給与等支払請求

甲賀市事件

大津地裁(令和2年10月6日)判決

◆ 65歳までの雇用保障と 雇止め無効地位確認等請求

学校法人大阪滋慶学園事件

大阪地裁(令和2年10月2日)判決

◆ 労契法19条と雇止め無効地位確認等請求

日本通運事件

東京地裁(令和2年10月1日)判決

◆ 批判メール及び個人情報漏洩と出勤停止処分の有効性

学校法人目白学園事件

東京地裁(令和2年7月16日)判決

◆ 期間途中で解雇された派遣労働者の損害賠償等請求

ヘイズ・スペシャリスト・リクルートメント・ジャパン事件

東京地裁(令和2年7月8日)判決

◆ 暴行・パワハラに基づく損害賠償等請求

東急トランセ事件

東京地裁(令和2年7月1日)判決

◆ 弁護士の業務停止3月の懲戒処分取消等請求

京都弁護士会事件

京都地裁(令和2年3月12日)判決

一覧に戻る

年間購読料:29,700円(27,000円+税)※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です