労働判例ジャーナル100号(2020年・7月)

■注目判例

認定基準に満たない時間外労働と過労死の業務起因性判断

国・高松労基署長(富士通)事件

■ポイント

 本件は,大手電機メーカーに営業職として20年余り勤務した女性労働者がく
も膜下出血により死亡したことについて,業務起因性の有無が争われた事案で
ある。遺族からの労災保険法に基づく遺族補償一時金などの請求に対し,高松
労基署長が,脳・心臓疾患の労災認定基準に示す業務による明らかな過重負荷
が認められないとして不支給決定とした。これを不服とする遺族が不支給決定
の取消しを求めて提訴した。1審判決(高松地判令元・5・31,LEX/DB文献
番号25565458)は,本件疾病と業務との間に相当因果関係は認められないとして,
遺族の請求を棄却したため,遺族は,控訴した。

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目次

おかげさまで100号を迎えました。ご購読ありがとうございます。

100号を迎えてごあいさつ/ 100号に寄せてご祝辞

◆ 認定基準に満たない時間外労働と過労死の業務起因性判断

国・高松労基署長(富士通)事件

高松高裁(令和2年4月9日)判決

◆ 長時間業務と脳出血死との相当因果関係

サンセイ事件

横浜地裁(令和2年3月27日)判決

◆ 打合せ等に対する未払時間外割増賃金等支払請求

学校法人東桜学園事件

前橋地裁太田支部(令和2年3月25日)判決

◆ 准教授の事務職員職への職種変更命令の可否

学校法人日通学園事件

千葉地裁(令和2年3月25日)判決

◆ 元薬学部長らの停職・解雇無効地位確認等請求

国立大学法人岡山大学事件

広島高裁岡山支部(令和2年3月19日)判決

◆ 未払時間外等請求とパワハラに基づく損害賠償等請求

高幡消防組合事件

高知地裁(令和2年3月13日)判決

◆ 亡自衛隊員のスキー訓練中の死亡の公務起因性

国・法務大臣(自衛隊員急性心筋梗塞死)事件

旭川地裁(令和2年3月13日)判決

◆ 119番通報に対する不適切な対応に基づく停職処分の有効性

東備消防組合事件

広島高裁岡山支部(令和2年3月5日)判決

◆ 賃金引下げ無効未払賃金等支払請求

MASATOMO事件

東京地裁(令和2年1月24日)判決

◆ 試用期間中の解雇の有効性

MAIN SOURCE事件

東京地裁(令和元年12月20日)判決

◆ 私用電話等を理由とする解雇及び賃金減額の有効性

PRESTIGE事件

東京地裁(令和元年12月17日)判決

◆ 固定残業手当と未払割増賃金等支払請求

レインズインターナショナル事件

東京地裁(令和元年12月12日)判決

◆ 固定残業手当の合意有無と配転命令の可否

ソルト・コンソーシアム事件

東京地裁(令和元年12月6日)判決

◆ 不正ダウンロード等を理由とする懲戒解雇等の有効性

本多通信工業事件

東京地裁(令和元年12月5日)判決

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