労働判例ジャーナル13号(2013年・4月)
■注目判例
当直医に対する割増賃金と労働時間性
県立奈良病院事件
最高裁第3小法廷(平成25年2月12日)判決
■ポイント
本判決は、病院の産婦人科医師らが彼らが行っていた宿日直勤務および宅直勤務(緊急業務のために自発的に自宅に待機していること)について、割増賃金請求した事案の上告審判決である。本件は、1審(奈良地判平21. 4.22)および原審(大阪高判平22.11.26)がともに、宿日直勤務については割増賃金請求を認め、また、宅直勤務についてはこれを否定していた。本判決は、双方からの上告受理申立てを却下した。従って、最高裁自身がその法理を積極的に示したものではないが、これによって、原審判決が確定したことが実務上重要である。これによって、病院医師による宿日直勤務のほとんどが通常の労働時間として割増賃金の支払いを要することが明確になったからである。
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目次
◆ 当直医に対する割増賃金と労働時間性
県立奈良病院事件
最高裁第3小法廷(平成25年2月12日)判決
◆ 懲戒解雇の有効性
トムソン・ロイター・マーケッツ事件
東京地裁(平成24年12月19日)判決
◆ 解雇・雇止めの有効性と未払賃金
トルコ航空事件
東京地裁(平成24年12月5日)判決
◆ 派遣労働者と派遣先会社との雇用契約成立の可否
テレビ西日本・派遣先会社プロジェクト事件
福岡高裁(平成24年10月29日)判決
◆ 労働協約不締結による一時金不払の成否
東京急行電鉄・東急バス事件
東京地裁(平成25年1月22日)判決
◆ 解雇予告手当・付加金請求
HSBCサービシーズ・ジャパン・リミテッド事件
東京地裁(平成25年1月18日)判決
◆ 割増賃金請求,給与減額の可否
プロッズ事件
東京地裁(平成24年12月27日)判決
◆ 広告記載の労働契約内容に関する合意の成否
リリーフセンター事件
大阪地裁(平成24年12月26日)判決
◆ 自動退職の有効性と上司等の嫌がらせ
第一興商事件
東京地裁(平成24年12月25日)判決
◆ 賃金等における会社の不利益取扱
日立製作所事件
東京地裁(平成24年12月21日)判決
◆ 語学補助教員による未払賃金請求
語学補助教員賃金請求事件
東京地裁(平成24年12月18日)判決
◆ 元取締役の退職金支払請求・損害賠償請求
ミレジム事件
東京地裁(平成24年12月14日)判決
◆ 新幹線運転士の酒気帯び状態を理由とする減給処分
東海旅客鉄道事件
東京地裁(平成25年1月23日)判決
◆ メール送信行為に対する謹慎処分の有効性
東和エンジニアリング事件
東京地裁(平成25年1月22日)判決
◆ 内定取消の違法性
アイガー事件
東京地裁(平成24年12月28日)判決
◆ 東京都の団交拒否の不当労働行為該当性
国・中労委(東京都団交拒否)事件
東京地裁(平成24年12月17日)判決
◆ システムエンジニアの適応障害発症の業務起因性
国・品川労基署長(適応障害)事件
東京地裁(平成24年12月26日)判決
◆ 化学物質過敏症の公務起因性
地方公務員災害補償基金(トルエン暴露)事件
大阪地裁(平成24年12月26日)判決
◆ 中枢神経機能障害発症の公務起因性
地方公務員災害補償基金(化学物質曝露)事件
大阪地裁(平成24年11月19日)判決
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