労働判例ジャーナル17号(2013年・8月)
■注目判例
時間外労働割増賃金請求と損害賠償請求
ヒロセ電機事件
東京地裁(平成25年5月22日)判決
■ポイント
本判決は、時間外割増賃金および深夜割増賃金の請求をめぐる一事例である。目新しい議論が展開されているわけではないが、論点が多岐に渡っており、実務的には参考になろう。
本件の従業員は、休憩時間中に実際には労働時間に該当する時間があること、適用されているとする1か月単位の変形労働時間制が制度の要件を満たしていないこと、事業場外みなし労働時間制が適用となっている労働時間が算定しがたい場合にあたらず、その適用がないこと、時間外労働の認定を時間外勤務命令書ではなく、入退館記録表によるべきことなどを主張して、割増賃金および付加金の請求を行うとともに、内容虚偽の労働時間申告書等を作成、提出させたことが不法行為にあたるとして損害賠償を請求した事例である。
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目次
◆ 時間外労働割増賃金請求と損害賠償請求
ヒロセ電機事件
東京地裁(平成25年5月22日)判決
◆ 労働契約における期間の定めの有無
ウェザーニューズ事件
東京地裁(平成25年5月28日)
◆ 即日解雇における解雇予告手当等の有無
デイリーヤマザキ事件
大阪地裁(平成25年5月13日)判決
◆ 経営不振による整理解雇と人選方法
東亜外業事件
神戸地裁(平成25年2月27日)判決
◆ 長期欠勤と雇止めの適法性
西日本旅客鉄道事件
大阪地裁(平成25年5月7日)決定
◆ 合意退職についての和解契約の成否
紅花事件
東京地裁(平成25年5月21日)判決
◆ 諭旨退職処分の有効性
上新電機事件
大阪地裁(平成25年5月30日)判決
◆ 酒気帯び運転を理由とする懲戒免職処分の可否
姫路市(懲戒免職処分)事件
神戸地裁(平成25年1月29日)判決
◆ 新制度の人事考課による配転及び降格の適否
味の素パッケージング事件
大阪地裁(平成25年5月16日)判決
◆ 斎場職員の心付け受領行為に対する懲戒免職処分
大阪市・大阪市長(懲戒免職処分取消請求)事件
大阪地裁(平成25年5月15日)判決
◆ 地域労組による街宣活動の違法性
旭ダイヤモンド工業事件
東京地裁(平成25年5月23日)判決
◆ 団体交渉における使用者性
兵庫県・兵庫県労働委員会事件
神戸地裁(平成25年5月14日)判決
◆ 不当労働行為における使用者性
明治大学事件
東京地裁(平成25年5月9日)判決
◆ 石綿による肺がん発症と安全配慮義務
IHI事件
横浜地裁(平成25年5月30日)判決
◆安全配慮義務違反の成否
C会社(安全配慮義務)事件
神戸地裁(平成25年3月13日)判決
◆ 労災補償給付の消滅時効
国・中央労基署長(東都春陽堂)事件
東京地裁(平成25年5月30日)判決
◆ 前訴を蒸し返す各不支給処分の無効確認請求
国・新宿労基署長(日栄建設)事件
東京地裁(平成25年5月29日)判決
◆ 自殺の公務起因性
国家公務員(精神障害)事件
東京地裁(平成25年5月16 日)判決
◆ 脳内出血の業務起因性
成田労基署長(脳内出血)事件
東京地裁(平成25年5月13日)判決
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