労働判例ジャーナル18号(2013年・9月)
■注目判例
労基法81条の解釈と打切補償対象者の範囲
学校法人専修大学(地位確認等反訴請求控訴)事件
東京高裁(平成25年7月10日)判決
■ポイント
労基法の打切補償を行うことができる場合が、労基法上の療養給付を労働者および労災保険法19条に定める場合に限定されるのか否かは、理論的にも実務的にも重要な論点となる。本事案は、まさにこの論点が判断された実質的に初めての事例であり、注目される。
本判決は、労災保険法により療養補償給付及び休業補償給付を受けている労働者は、労基法の定める療養補償によって補償を受けている労働者に該当しないので、打切補償の対象となる労働者に当たらないとの判断を示し、打切補償
金を支払ってした解雇が業務上疾病にかかり療養のために休業する期間中の解雇にあたり、労基法19条1項の解雇制限に反し無効であると判示した。
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目次
◆ 労基法81条の解釈と打切補償対象者の範囲
学校法人専修大学(地位確認等反訴請求控訴)事件
東京高裁(平成25年7月10日)判決
◆ HDDの持ち帰りによる懲戒解雇の正当性
丸井商会事件
大阪地裁(平成25年6月21日)判決
◆ 職場内でのトラブルよる解雇の有効性
協親交通事件
大阪地裁(平成25年6月7日)判決
◆ 解雇権濫用法理の適用と雇止めの合理性
東芝ライテック事件
横浜地裁(平成25年4月25日)判決
◆ 退職手当不支給処分の妥当性
独立行政法人国立病院機構事件
長崎地裁(平成25年7月2日)判決
◆ セクハラを理由とした停職等の適法性
公立大学法人宮崎公立大学事件
宮崎地裁(平成25年6月28日)判決
◆ みなし残業代を定めた規定の妥当性
木下工務店事件
東京地裁(平成25年6月26日)判決
◆ 時間外労働割増賃金請求の可否
日興システック事件
東京地裁(平成25年6月26日)判決
◆ 大学院生に対する教授らのハラスメント行為の成否
国立大学法人京都大学事件
京都地裁(平成25年6月11日)判決
◆ 一方的な労働条件変更の可否
臨海セミナー事件
横浜地裁(平成25年6月7日)判決
◆ 上司による暴行の不法行為該当性
コスモアークコーポレーション事件
大阪地裁(平成25年6月6日)判決
◆ 懲戒処分の理由となった遅刻の存否
東京都(懲戒処分取消請求)事件
東京地裁(平成25年6月6日)判決
◆ 退職の意思表示の瑕疵の成否・慰謝料請求
プレナス事件
東京地裁(平成25年6月5日)判決
◆ 安全配慮義務の水準の妥当性
日鉄鉱業事件
福岡高裁(平成25年7月17日)判決
◆従業員のうつ病の業務起因性
三菱電機(うつ病)事件
京都地裁(平成25年6月28日)判決
◆ 長時間労働等による自殺と安全配慮義務
岡山県貨物運送事件
仙台地裁(平成25年6月25日)判決
◆ 教諭に対する校長らの嫌がらせの有無
広島県(教員パワハラ)事件
広島高裁(平成25年6月20日)判決
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