労働判例ジャーナル20号(2013年・11月)
■注目判例
雇止め回避義務違反の有無
日本郵便(期間雇用社員雇止め)事件
札幌地裁 平成25年7月30日
■ポイント
本件は、経営上の理由で期間雇用社員(時給制契約社員)を雇止めしたことの有効性が争われた事案である。
本件期間雇用社員は、労働力の調整の必要性がある等の事情がない限り、基本的には継続することが予定されているので、雇止めには解雇に関する法理が適用されるとした。そして、本件雇止めが経営上の理由によるものであるので、
整理解雇に準ずる要件を満たす必要があるとする。この基本的枠組みは、判例に即したものである。
本判決の特徴は、雇止めの具体的判断において、雇止めの経営上の必要性があることを前提として、雇止め回避努力を尽くしていないとしたことにある。
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目次
◆ 雇止め回避義務違反の有無
日本郵便(期間雇用社員雇止め)事件
札幌地裁(平成25年7月30日)判決
◆ 雇止めの不法行為該当性
北海道大学事件
札幌地裁(平成25年8月23日)判決
◆ 指導能力不足を理由とする免職処分の妥当性
東京都教育委員会事件
東京地裁(平成25年8月19日)判決
◆ 保育士に対する懲戒解雇の有効性
社会福祉法人和事件
福島地裁郡山支部(平成25年8月16日)判決
◆ 懲戒解雇の処分の相当性
学校法人平安女学院事件
京都地裁(平成25年7月26日)判決
◆ 上司の発言等に関する会社の安全配慮義務
みずほ情報総研事件
東京地裁(平成25年8月21日)判決
◆ 法人格否認の法理と慰謝料請求
愛商物流事件
東京地裁(平成25年8月21日)判決
◆ 会社の責めに帰す就労不能の成否
東日本福祉経営サービス事件
新潟地裁(平成25年8月20日)判決
◆ 臨床検査技師の未払賃金等請求の成否
三菱地所事件
東京地裁(平成25年8月13日)判決
◆ 委託契約の雇用契約該当性
カーゴスタッフ事件
静岡地裁(平成25年8月9日)判決
◆ 降格及び職務給減額の妥当性
TBCグループ事件
東京地裁(平成25年8月13日)判決
◆ 上司によるパワハラと損害賠償請求の可否
豊前市(パワハラ)事件
福岡高裁(平成25年7月30日)判決
◆ ホームヘルパー職員の腰痛等の公務起因性
地方公務員災害補償基金事件
大阪地裁(平成25年7月29日)判決
◆女性社員に対する昇進・昇格差別の有無
中国電力事件
広島高裁(平成25年7月18日)判決
◆ 営業譲渡の不当労働行為該当性
損害賠償請求事件
大阪地裁(平成25年7月5日)判決
◆ 公務員の自殺と公務起因性
地方公務員災害補償基金事件
神戸地裁(平成25年6月25日)判決
◆ 療養補償給付と症状固定の有無
中央労基署長(脳損傷)事件
東京地裁(平成25年8月29日)判決
◆ じん肺発症の業務起因性
国・会津労基署長(じん肺)事件
東京地裁(平成25年7月18日)判決
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