労働判例ジャーナル26号(2014年・5月)
■注目判例
役職定年制の変更の妥当性
熊本信用金庫事件
熊本地裁 平成26年1月24日
■ポイント
本件は、信用金庫の職員が就業規則の不利益変更に合理性がなく、また、本件就業規則の変更に同意していないとして、旧就業規則にもとづく差額賃金支払いなどを請求した事案である。
本件就業規則の変更の合理性については、労働者の受ける不利益の程度がその生活設計を根本的に揺るがし得るほど大きなものである一方で、労働条件の変更の必要性の程度が現実に信用金庫の破綻等の危険が差し迫っているほど高度なものではなく、代替措置は不利益の程度と比較して不十分なものであり、職員らに対する意見聴取や説明の経緯、多くの職員は本件就業規則の変更に同意していること等のその余の事情を考慮したとしても、合理的なものであるとは認められないとして否定された。
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目次
◆ 【注目判例】 役職定年制の変更の妥当性
熊本信用金庫事件
熊本地裁(平成26年1月24日)
◆ 希望退職に応じなかった大学教授の解雇無効請求
学校法人金蘭会学園事件
大阪地裁(平成26年2月25日)判決
◆ 懲戒解雇無効地位確認等請求
一般財団法人年金住宅福祉協会事件
東京地裁(平成26年2月25日)判決
◆ 金銭受領を理由とする懲戒免職処分取消請求
大阪市(懲戒免職処分取消等請求)事件
大阪高裁(平成26年2月20日)判決
◆ 休職期間満了退職とパワハラに基づく損害賠償請求
イー・アクセス事件
東京地裁(平成26年2月7日)判決
◆ 虚偽のセクハラ申告に基づく懲戒解雇
双日・双日総合管理事件
東京地裁(平成26年2月5日)判決
◆ 交通費着服行為に基づく懲戒解雇取消請求
ティエヌティエクスプレス事件
東京地裁(平成26年2月5日)判決
◆ 不正取引による懲戒解雇取消請求
トリンプ・インターナショナル・ジャパン事件
東京地裁(平成26年1月22日)判決
◆ 中国人研修生の未払賃金等請求
北日本電子・協同組合五光事件
金沢地裁小松支部(平成26年3月7日)判決
◆ 残業代支払請求
ピーファクトリー事件
東京地裁(平成26年2月26日)判決
◆ 降格処分が無効を前提とする退職金支払請求
一般社団法人日本能率協会事件
東京地裁(平成26年2月26日)判決
◆ セクハラ等に基づく大学教授の懲戒処分取消等請求
公立大学法人都留文科大学事件
甲府地裁(平成26年2月25日)判決
◆ 出勤記録不正修正に基づく出勤停止処分の取消請求
東京都ほか(行政処分取消等請求)事件
東京高裁(平成26年2月12日)判決
◆ 取締役によるセクハラ行為に対する損害賠償請求
ドコモ・モバイルメディア関西事件
大阪地裁(平成26年2月6日)判決
◆ 学校給食費徴収業務命令に対する損害賠償請求
藤沢市(損害賠償請求)事件
横浜地裁(平成26年1月30日)判決
◆ 企業年金制度の年金受給方式の説明義務
明治事件
東京地裁(平成26年1月15日)判決
◆ 悪性胸膜中皮腫罹患による自殺に対する損害賠償請求
近畿日本鉄道事件
大阪高裁(平成26年2月27)判決
◆ うつ病自殺の遺族補償一時金不支給処分取消請求
国・新居浜労基署長(うつ病自殺)事件
大阪地裁(平成26年2月19日)判決
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