労働判例ジャーナル132号(2023年・3月)
■注目判例
同僚従業員によるパワー・ハラスメントと会社の責任
東海交通機械事件
■ポイント
本件は,同僚従業員による暴力を含む行為の一部が違法なパワー・ハラスメントと認定され,加害従業員と使用者責任のある会社に損害賠償の支払いが命じられたものである。職場の先輩従業員である同僚の行為は,暴力を含むものであり,典型的なパワー・ハラスメント事案と言える。もっとも,同僚従業員のその他の行為は,パワー・ハラスメントとは認定されず,また,被害を受けた従業員がその後発症した左網膜周辺部変性,適応障害及びパニック障害との間に因果関係が認められないとされている。
争点の立て方にもよるが,上司らの違法な行為について,会社の使用者責任を認めるということもできたのではないかと思われる。
年間購読料:29,700円(27,000円+税)※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です |
目次
◆ 同僚従業員によるパワー・ハラスメントと会社の責任
東海交通機械事件
名古屋地裁(令和4年12月23日)判決
◆ セクハラ・パワハラに基づく損害賠償等請求
ライフマティックス事件
大阪高裁(令和4年12月22日)判決
◆ 再雇用拒否無効と地位確認等請求
函館バス事件
函館地裁(令和4年12月13日)判決
◆ 職権濫用等を理由とする懲戒解雇の有効性
日本郵便事件
札幌地裁(令和4年12月8日)判決
◆ 違法更新拒否に基づく損害賠償等請求
東串良町事件
鹿児島地裁(令和4年12月7日)判決
◆ 卒業式での国歌斉唱時不起立を理由とする戒告処分取消請求
大阪市・市教委事件
大阪地裁(令和4年11月28日)判決
◆ 大学職員の雇止め無効地位確認等請求
国立大学法人琉球大学事件
福岡高裁那覇支部(令和4年11月24日)判決
◆ 競業避止義務違反等を理由とする懲戒処分の有効性
不動技研工業事件
長崎地裁(令和4年11月16日)判決
◆ 窃盗を理由とする懲戒解雇無効地位確認等請求
西日本旅客鉄道事件
金沢地裁(令和4年10月28日)判決
◆パワハラ行為等に基づく損害賠償等請求
タイガー魔法瓶事件
大阪地裁(令和4年10月28日)判決
◆ 盗撮等を理由とする退職手当不支給処分取消請求
高知県・高知県警察本部長事件
高知地裁(令和4年10月28日)判決
◆ 営業成績未達成を理由とする解雇の有効性
メットライフ生命保険事件
大阪地裁(令和4年10月27日)判決
◆ 合意解約の成立の有無
日本マクドナルド事件
名古屋地裁(令和4年10月26日)判決
◆ 定年後再雇用契約締結に基づく未払賃金等支払
阪急バス事件
大阪地裁(令和4年10月14日)判決
◆ 各手当の時間外割増賃金該当性
住吉運輸事件
大阪地裁(令和4年10月13日)判決
◆ 不正休暇取得を理由とする懲戒免職等処分の有効性
大阪府・大阪府教委事件
大阪地裁(令和4年11月7日)判決
◆ 勤務時間等管理に関する安全配慮義務違反の成否
青森市事件
青森地裁(令和4年9月27日)判決
◆ タイムカードについての文書提出命令申立
JYU-KEN事件
東京地裁立川支部(令和4年9月16日)決定
年間購読料:29,700円(27,000円+税)※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です |