労働判例ジャーナル130号(2023年・1月)
■注目判例
賞与の支給日在籍要件の適法性
医療法人佐藤循環器科内科事件
■ポイント
本件は,賞与の支給日在籍要件が争点となった事例である。賞与の支給日在籍要件については,判例は,賞与が賃金の後払い的性格に加えて,功労報償的性格及び将来の貢献に対する期待などの複合的性格があることを前提として,支給日在籍要件を肯定する例が多い(例えば,大和銀行事件・最1小判昭57・10・7)。もっとも,従業員が退職日を任意に選択できることが支給日在籍要件を有効とする前提となっているので,学説においては,この前提が欠けるような定年退職及び整理解雇のような場合には,支給日在籍要件の適用が公序違反(民法90条)と見るものが多い。
本件は,死亡により退職した者に関する賞与の在籍日支給要件が争点となった珍しい事例である。
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目次
◆ 賞与の支給日在籍要件の適法性
医療法人佐藤循環器科内科事件
松山地裁(令和4年11月2日)判決
◆ 安全配慮義務違反に基づく損害賠償等請求
東横イン事件
名古屋地裁(令和4年9月29日)判決
◆ ハラスメント行為を理由とする懲戒処分の有効性
学校法人常磐大学事件
水戸地裁(令和4年9月15日)判決
◆ 自殺した亡労働者の精神障害発症の業務起因性
国・岐阜労基署長事件
名古屋高裁(令和4年9月14日)判決
◆ 退職の意思表示無効地位確認等請求
伊藤忠商事事件
大阪地裁(令和4年9月9日)判決
◆ パワハラ等に基づく損害賠償等請求
損害賠償(慰謝料)請求事件
甲府地裁(令和4年9月1日)判決
◆ 安全配慮義務違反に基づく損害賠償等請求
巖本金属事件
京都地裁(令和4年8月31日)判決
◆ 障害者の職場環境改善義務違反に基づく損害賠償等請求
Man to Man Animo事件
岐阜地裁(令和4年8月30日)判決
◆管理監督者該当性と深夜業
F.TEN事件
大阪地裁(令和4年8月29日)判決
◆亡労働者の自死に基づく損害賠償等請求
日本郵便事件
福岡地裁(令和4年8月26日)判決
◆ 安全配慮義務違反に基づく損害賠償等請求
MARUWA事件
名古屋地裁(令和4年8月26日)判決
◆ 拳銃で自死した警察官の両親の損害賠償等請求
神奈川県事件
横浜地裁(令和4年7月29日)判決
◆ 退任慰労金減額分相当額等の支払請求
テレビ宮崎事件
福岡高裁宮崎支部(令和4年7月6日)判決
◆ 違法な出勤命令に基づく損害賠償等請求
関西新幹線サービック事件
大阪地裁(令和4年6月23日)判決
◆ 採用内定取消に基づく損害賠償等請求
日本振興事件
大阪地裁(令和4年6月17日)判決
◆ 元従業員に対する損害賠償等請求
フジアール事件
東京地裁(令和4年5月13日)判決
◆ 整理解雇の有効性
クレディ・スイス証券事件
東京地裁(令和4年4月12日)判決
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