ホープレス労働

ホープレス労働

働く人のホンネ

「中古品」扱いされ、逮捕すれすれの仕事をさせられ、そして、倹約、倹約、また倹約。
これでもまだあなたは
「リーマンショック前に比してもよくなっている」
「雇用情勢は着実に改善が進んでいる」
と信じますか?
統計では見えない雇用の実態を取材し、世に問う!

日本の今、希望のない雇用社会の現実。ホームレス、日雇い労働者などワーキングプアをめぐる問題をえぐる第一人者の最新刊!

ブラック企業、不払い残業、過重労働、パワハラ、追い出し部屋、所得格差、低所得、失業…
他人事ではない実態が、若者、女性、中高年、あらゆる労働者に迫りくる。
危機感を持つすべての人が読むべき一冊。

著者/所属 :増田明利

サイズ/ページ数 :B6判 並製 316ページ

ISBN :978-4-903613-16-1

価格 1,430円(本体1,300円+税) 数量

目次

一章 憂鬱な若者たち

 

一 早期退職その事情

残り物に福はない
給料は手取り9万円
建築士志望がファミレス店員
死にたくないから辞めました

二 就職先はブラック企業①

ケチの付き始めは不本意就職
残業は月100時間、休みは月3日
魔法の水で何でも治る?
逮捕されるかもという恐怖

三 電池が切れるまで

IT業界、裏の顔
タダ働きと健康被害
いつか使い捨てられるという不安

四 漂流世代の見えない明日

就活は0勝18敗
既卒者は中古品扱い
生涯賃金は正社員の3分の1

五 平成版・あゝ野麦峠

26歳、働きマンの一日
社員は定額使い放題
辞めても誰も困らない仕組み

六 就職先はブラック企業②

これが金貸し稼業です
仏さまは金の成る木

二章 非正規で働くということ、その事情と実情

 

一 派遣の貧格

涙の給与明細書
入口は内定切り
いざ、派遣社員
いつか派遣を卒業する日

二 男30歳、派遣の肖像

入り口はリーマンショック
派遣の立場、派遣の暮らし
絶えない気苦労
漠然とした不安

三 当節、出稼ぎ事情

大震災で会社消滅
派遣の仕事、派遣の暮らし
漠然とした不安

四 工場非正規の恨み節

現場は非正規で回っている
ボーナスは5000円
それをやったらお終いだけど

五 正社員からの脱落

それでは皆さんサヨウナラ
60社にアプローチするも再就職ならず
失業一年、オヤジフリーターに

六 高齢フリーターの絶望

入り口は「つい、うっかり」
漂流の始まり
俺、ヤバイのかも…。
甘くない現実

七 もしも夫が失業したら

困窮家庭への転落
やっと見つけたパート仕事
倹約、倹約、また倹約

三章 働き盛りの苦悩

 

一 もしも40代で会社を辞めたら

転職は博打と同じ
正社員復帰への遠い道のり
わたしが会社を辞めたわけ
辞めてはみたものの…。

二 お父さんは眠りたい

ワーキングプアへの転落
のしかかる教育費
ハローワークでこんにちは

三 上司が馬鹿で嫌になる

これが我が社の駄目管理職
課長、仕事してくださいよ!
平社員は辛いよ
そして誰もいなくなる

四 脱サラの結末

元はアパレル会社の営業マン
成功は束の間の夢
廃業、別居、職探し

五 高学歴、低所得者の絶望

最終学歴は大学院卒
ジョブホッパーへの転落
学歴詐称で職探し

六 若手が馬鹿で嫌になる

ゆとり世代がやってきた
おまえは時限爆弾か
そして簡単に辞めていく

七 OLは見た

午後1時のオフィスで
男女平等は絵に描いた餅
それは「辞めろ」ということですか?

八 サラリーマン人類学講座

出世の基準は何ですか?
ゴマすりのすすめ
リストラされるにゃわけがある

九 新人君、いらっしゃい

会社は学校ではないということ
仕事を理解するということ
三年は黙って働け

十 どうするイクメン社員

パタハラは避けたいが
結果的にはキャリアロス

四章 好景気がやって来た?

 

一 アベノミクスでハッピー! ハッピー?①

高額商品から売れていく
節約疲れでプチ贅沢
ミニバブルが始まった

二 人手がない!①

求人三か月、応募ゼロ
派遣はそんなに悪いことですか?
就職難、それでも本音は大手志望。

三 アベノミクスでハッピー!  ハッピー?②

休日は月二日だけ
ベースアップは10年ぶり
仕事が捌ききれません

四 人手がない②

求むアルバイト
不人気業種は求人氷河期
職人不足は死活問題

五章 唇を噛みしめて、中高年世代の受難

 

一 リストラ狂騒曲

非情の通告
籍はあるのに席はなし
再就職支援のからくり
クビ切りした会社が求人していた

二 52歳の市場価値

3年目のハローワーク
デパートマン、バブルを語る
今日もリストラ、明日もリストラ
リストラの松竹梅
中高年、再就職の現実

三 嗚呼、中年エレジー

リーマンショックで会社消滅
45歳は高齢者
生活できない賃金

四 再就職支援の甘い罠

就活1年6か月、未だに無職
求人多数、完全サポートのお寒い現実
椅子取りゲームは終わらない

五 ネットカフェ難民の元経営者

1泊1480円、漂う孤独
こうして会社が潰れていった。
転がる石のように

六 副部長、介護退職の危機

葬儀場でのひとコマ
女房が鬼に見えたとき
休職か退職か

七 会社に行きたくないと思ったら

わたしはこれで気分転換しています
所詮わたしはサラリーマン

八 60歳の進路選択

『希望しないで下さい』で再雇用拒否
再雇用。去る人、残る人
60歳、警備員デビュー

対談 労働現場取材と雇用問題の現在

 

現場取材に深入りした理由
数字や統計で見えないものを伝える
非正規にケアがなさすぎる
若年層のとらえ方
現場から希望を見出せるか

著者紹介

増田明利


1961年生まれ。1980年都立中野工業高校卒。99年よりホームレス支援に関わり、04年に路上生活者の声をまとめた「東京路上サバイバル・ホームレス28人の履歴書」(恒友出版)を発表。続編となる「今日、ホームレスになった・13のサラリーマン転落人生」で第25回新風舎出版賞を受賞。
著書に「今日、ホームレスになった・平成格差社会編」「今日から日雇い労働者になった」「本当にヤバイ就職活動」「今日からワーキングプアになった」いずれも彩図社、「仕事がない!―求職中36人の叫び」(平凡社)がある。

価格 1,430円(本体1,300円+税) 数量

一覧に戻る