ホープレス労働
目次
一章 憂鬱な若者たち
一 早期退職その事情
残り物に福はない
給料は手取り9万円
建築士志望がファミレス店員
死にたくないから辞めました
二 就職先はブラック企業①
ケチの付き始めは不本意就職
残業は月100時間、休みは月3日
魔法の水で何でも治る?
逮捕されるかもという恐怖
三 電池が切れるまで
IT業界、裏の顔
タダ働きと健康被害
いつか使い捨てられるという不安
四 漂流世代の見えない明日
就活は0勝18敗
既卒者は中古品扱い
生涯賃金は正社員の3分の1
五 平成版・あゝ野麦峠
26歳、働きマンの一日
社員は定額使い放題
辞めても誰も困らない仕組み
六 就職先はブラック企業②
これが金貸し稼業です
仏さまは金の成る木
二章 非正規で働くということ、その事情と実情
一 派遣の貧格
涙の給与明細書
入口は内定切り
いざ、派遣社員
いつか派遣を卒業する日
二 男30歳、派遣の肖像
入り口はリーマンショック
派遣の立場、派遣の暮らし
絶えない気苦労
漠然とした不安
三 当節、出稼ぎ事情
大震災で会社消滅
派遣の仕事、派遣の暮らし
漠然とした不安
四 工場非正規の恨み節
現場は非正規で回っている
ボーナスは5000円
それをやったらお終いだけど
五 正社員からの脱落
それでは皆さんサヨウナラ
60社にアプローチするも再就職ならず
失業一年、オヤジフリーターに
六 高齢フリーターの絶望
入り口は「つい、うっかり」
漂流の始まり
俺、ヤバイのかも…。
甘くない現実
七 もしも夫が失業したら
困窮家庭への転落
やっと見つけたパート仕事
倹約、倹約、また倹約
三章 働き盛りの苦悩
一 もしも40代で会社を辞めたら
転職は博打と同じ
正社員復帰への遠い道のり
わたしが会社を辞めたわけ
辞めてはみたものの…。
二 お父さんは眠りたい
ワーキングプアへの転落
のしかかる教育費
ハローワークでこんにちは
三 上司が馬鹿で嫌になる
これが我が社の駄目管理職
課長、仕事してくださいよ!
平社員は辛いよ
そして誰もいなくなる
四 脱サラの結末
元はアパレル会社の営業マン
成功は束の間の夢
廃業、別居、職探し
五 高学歴、低所得者の絶望
最終学歴は大学院卒
ジョブホッパーへの転落
学歴詐称で職探し
六 若手が馬鹿で嫌になる
ゆとり世代がやってきた
おまえは時限爆弾か
そして簡単に辞めていく
七 OLは見た
午後1時のオフィスで
男女平等は絵に描いた餅
それは「辞めろ」ということですか?
八 サラリーマン人類学講座
出世の基準は何ですか?
ゴマすりのすすめ
リストラされるにゃわけがある
九 新人君、いらっしゃい
会社は学校ではないということ
仕事を理解するということ
三年は黙って働け
十 どうするイクメン社員
パタハラは避けたいが
結果的にはキャリアロス
四章 好景気がやって来た?
一 アベノミクスでハッピー! ハッピー?①
高額商品から売れていく
節約疲れでプチ贅沢
ミニバブルが始まった
二 人手がない!①
求人三か月、応募ゼロ
派遣はそんなに悪いことですか?
就職難、それでも本音は大手志望。
三 アベノミクスでハッピー! ハッピー?②
休日は月二日だけ
ベースアップは10年ぶり
仕事が捌ききれません
四 人手がない②
求むアルバイト
不人気業種は求人氷河期
職人不足は死活問題
五章 唇を噛みしめて、中高年世代の受難
一 リストラ狂騒曲
非情の通告
籍はあるのに席はなし
再就職支援のからくり
クビ切りした会社が求人していた
二 52歳の市場価値
3年目のハローワーク
デパートマン、バブルを語る
今日もリストラ、明日もリストラ
リストラの松竹梅
中高年、再就職の現実
三 嗚呼、中年エレジー
リーマンショックで会社消滅
45歳は高齢者
生活できない賃金
四 再就職支援の甘い罠
就活1年6か月、未だに無職
求人多数、完全サポートのお寒い現実
椅子取りゲームは終わらない
五 ネットカフェ難民の元経営者
1泊1480円、漂う孤独
こうして会社が潰れていった。
転がる石のように
六 副部長、介護退職の危機
葬儀場でのひとコマ
女房が鬼に見えたとき
休職か退職か
七 会社に行きたくないと思ったら
わたしはこれで気分転換しています
所詮わたしはサラリーマン
八 60歳の進路選択
『希望しないで下さい』で再雇用拒否
再雇用。去る人、残る人
60歳、警備員デビュー
対談 労働現場取材と雇用問題の現在
現場取材に深入りした理由
数字や統計で見えないものを伝える
非正規にケアがなさすぎる
若年層のとらえ方
現場から希望を見出せるか
著者紹介
増田明利 氏
1961年生まれ。1980年都立中野工業高校卒。99年よりホームレス支援に関わり、04年に路上生活者の声をまとめた「東京路上サバイバル・ホームレス28人の履歴書」(恒友出版)を発表。続編となる「今日、ホームレスになった・13のサラリーマン転落人生」で第25回新風舎出版賞を受賞。
著書に「今日、ホームレスになった・平成格差社会編」「今日から日雇い労働者になった」「本当にヤバイ就職活動」「今日からワーキングプアになった」いずれも彩図社、「仕事がない!―求職中36人の叫び」(平凡社)がある。