労働判例ジャーナル112号(2021年・7月)
■注目判例
有期労働契約の雇止めと無期転換
公益財団法人埼玉県公園緑地協会事件
■ポイント
本件は,有期労働契約の雇止めに合理的理由がなく,契約が更新されることの結果,この有期労働契約が無期転換したことを認めたものである。また,本件は,元々自治体の設立した公園内の動物園を管理する公社に勤務していた元職員が,公社の廃止後も,その後動物園の指定管理者の代表団体に有期労働契約で雇用されていたという特殊な事情がある。さらに,本件雇止めに合理的理由がないとされ,本件有期労働契約が更新されることになったため,訴訟中に通算契約期間が5年を超え,労働者らが無期転換申込権を行使していたため,期間の定めのない契約となったことも注目される。
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目次
◆ 有期労働契約の雇止めと無期転換
公益財団法人埼玉県公園緑地協会事件
さいたま地裁(令和3年4月23日)判決
◆ 左目負傷による療養補償給付等不支給処分取消請求
国・一宮労基署長事件
名古屋高裁(令和3年4月28日)判決
◆ 雇止め無効地位確認等請求
エヌ・ティ・ティ・コムウェア事件
福岡地裁(令和3年4月16日)判決
◆ 雇止め無効地位確認等請求
高知県公立大学法人事件
高松高裁(令和3年4月2日)判決
◆ 安全配慮義務違反に基づく損害賠償等請求
いわきオールほか2社事件
福島地裁いわき支部(令和3年3月30日)判決
◆ 無期転換逃れの雇止め無効地位確認等請求
日本通運事件
横浜地裁川崎支部(令和3年3月30日)判決
◆ 会社の責に帰すべき事由等に基づく未払賃金等支払請求
ホームケア事件
横浜地裁(令和2年3月26日)判決
◆ 超過勤務手当等不正受給による懲戒免職処分等取消請求
仙台市事件
仙台地裁(令和3年3月25日)判決
◆ 勤務中の暴言を理由とする懲戒(停職)処分取消請求
徳島市事件
徳島地裁(令和3年3月24日)判決
◆ 引越事故賠償金と未払割増賃金等支払請求
アートコーポレーション事件
東京高裁(令和3年3月24日)判決
◆ 各手当の(旧)労働契約法20条該当性
科学飼料研究所事件
神戸地裁姫路支部(令和3年3月22日)判決
◆ 職務遂行支障等を理由とする分限免職処分の有効性
神戸市事件
神戸地裁(令和3年3月11日)判決
◆ 未払賃金等支払請求と通勤時間の労働時間性
オーイング事件
福井地裁(令和3年3月10日)判決
◆ コロナ禍における業務縮小と地位保全等仮処分申立
森山事件
福岡地裁(令和3年3月9日)決定
◆ 有形力行使等についての国に対する損害賠償等請求
国・法務大臣事件
静岡地裁(令和3年3月5日)判決
◆ 専心義務違反等に基づく従業員に対する損害賠償等請求
フォーザウィン事件
東京地裁(令和3年2月26日)判決
◆ 配転命令に従わない等の業務命令違反を理由とする解雇の有効性
F-LINE事件
東京地裁(令和3年2月17日)判決
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