ーこれからの雇用・労使関係への影響、労働法や社会保障法における課題とはー
　「クラウドワークの進展と社会法の近未来」の出版を記念して

 
　近年、個人請負・業務委託やフリーランスといった雇用契約によらない働き方がますます拡大する傾向にある中で、特に急速な進展を見せているのが、インターネット上のプラットフォームを介したクラウドワークという働き方です。
　企業組織に包摂されない就労者が発注者の注文に応じて労務やその成果物を提供する働き方は、これまでの働き方や就労関係のあり方を大きく変え、今後の社会法制のあり方に大きな影響を与える可能性があります。しかしながら、クラウドワークに関して実態の解明や分析はほとんど進んでいない状況でもあります。
　そのような中、このたび５年間余にわたるクラウドワークに関する共同研究の中間的総括として『クラウドワークの進展と社会法の近未来（浜村彰・石田眞・毛塚勝利 編著、労働開発研究会）』が刊行されました。
　そこで本研究会では、当研究および本書刊行に中心的に携わられた法政大学の浜村教授を講師にお招きし、これまでの研究から明らかになったクラウドワークの現状と課題について解説していただきます。
　クラウドワーカーの労働者性をめぐる訴訟や立法政策的対応など海外の状況、日本のクラウドワークの実情調査等、日本の社会法領域における研究は皆無といえるなかでまとめられた本書の刊行を記念した貴重な講演となりますので、企業や労働組合のご担当者や士業の皆様、研究者の皆様をはじめご関心ある皆様は、この機会にぜひご参加ください。