労働判例ジャーナル02号(2012年・05月)
■注目判例
労働組合法上の労働者該当性の有無
ビクターサービスエンジニアリング事件
最高裁第三小法廷(上告審)(平成24年2月21日)判決
■ポイント
労働組合法上の「労働者」(労働組合法3条)の範囲は、プロ野球選手に選手会という名の労働組合があるように、労働基準法上の労働者より広い概念であると考えられてきた。しかし、実際の判断において、両者がどのように異なるのかは、これまであまり明確な基準が示されていなかった。このため、最近下級審において、労組法上の労働者を労基法上の労働者に限りなく近い基準で判断し、また、業務委託契約の形式的判断に依拠して、就業者の労組法上の労働者性を否定する判決が相次いだ。
これに対し、最高裁は、今年になってこれら就業者を労組法上の労働者とする判断を複数の判決において示した。本号で紹介するビクターサービスエンジニアリング事件(最3小判平24・2・21)もその一つである。
年間購読料:29,700円(27,000円+税)※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です |
目次
◆ 労働組合法上の労働者該当性の有無
ビクターサービスエンジニアリング事件
最高裁第三小法廷(平成24年2月21日)判決
◆ 契約に基づく委託料の支払
ASU事件
東京地裁(平成24年1月20日)判決
◆ 労働契約成立の可否と退職金請求
日興運送事件
東京地裁(平成24年1月27日)判決
◆ 幅のある給与の定めと時間外手当請求の可否
テックジャパン事件
最高裁第一小法廷(平成24年3月8日)判決
◆ みなし制と残業代請求の可否
阪急トラベルサポート事件
東京高裁(平成24年3月7日)判決
◆ 未払時間外手当及び休日勤務手当等の支払請求,付加金の支払請求
ウィナライトジャパン事件
東京地裁(平成24年1月27日)判決
◆ 勤務態度不良を理由とする解雇の可否
社会医療法人弘道会事件
大阪地裁(平成24年1月13日)決定
◆ 偽装請負と地位確認請求の可否
パナソニックエコシステムズ事件
名古屋高裁(平成24年2月10日)判決
◆ 雇止めと解雇権濫用法理類推適用の可否
本田技研工業事件
東京地裁(平成24年2月17日)判決
◆ パワハラ等を理由とする解雇の可否
学校法人尚美学園事件
東京地裁(平成24年1月27日)判決
◆ 万引き行為を理由とする懲戒免職の可否
大阪府教育委員会事件
大阪地裁(平成24年1月16日)判決
◆ 懲戒解雇の有効性
船坂ゴルフ場・倉商事件
東京地裁(平成24年1月13日)判決
◆ 事業譲渡と解雇の有効性
ビー・エヌ・ピー・パリバ・エス・ジェイ・リミテッド・BNPパリバ証券事件
東京地裁(平成24年1月13日)判決
◆ 整理解雇の可否と解雇回避努力
捉伸工事事件
大阪地裁(平成24年1月10日)決定
◆ 配転命令を理由とする損害賠償請求の可否
地方独立行政法人静岡県立病院機構事件
静岡地裁(平成24年1月13日)判決
◆ 労働者の疾患の業務起因性と損害賠償請求の可否
丸源合成事件
東京地裁(平成24年1月13日)判決
◆ 競業避止義務と退職金請求の可否
アメリカン・ライフ・インシュアランス・カンパニー事件
東京地裁(平成24年1月13日)判決
◆ 団交応諾義務と不当労働行為の有無
国・中労委(ゼンショー)事件
東京地裁(平成24年2月26日)判決
年間購読料:29,700円(27,000円+税)※送料無料。労働判例ジャーナルは労働法EX+をご契約の方に毎月発行される月刊誌です |