労働判例ジャーナル156号(2025年・3月)

■注目判例

職種限定の合意と配転命令

社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会(差戻し)事件

■ポイント

 本件の争点は,社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会(「本件法人」という。)に雇用され,本件法人が指定管理者である福祉用具センターにおいて,福祉用具の改造等(「本件業務」という。)に係る技術職として勤務していた職員(「本件職員」という。)が,職種及び業務内容を技術職に限定する旨の黙示の合意(「本件合意」という。)があるにもかかわらず,本件職員の同意なしに本件法人が下した総務課施設管理担当への配置転換命令(「本件配転命令」という。)を違法として本件法人に損害賠償を請求する事案である。
 原審判決(京都地判令4・4・27)も差戻し前の控訴審判決(大阪高判令4・11・24)も本件配転命令が本件業務の廃止による本件職員の解雇を回避するための措置であるとして本件配転命令を有効と判断していた。これに対して,最高裁判決(令6・4・26本誌148号)は,「労働者と使用者との間に当該労働者の職種や業務内容を特定のものに限定する旨の合意がある場合には,使用者は,当該労働者に対し,その個別的同意なしに当該合意に反する配置転換を命ずる権限を有しない」との規範を示し,この規範に反する原審判決を大阪高裁に差戻し,大阪高裁が下したのが本判決である。

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目次

◆ 職種限定の合意と配転命令

社会福祉法人滋賀県社会福祉協議会(差戻し)事件

大阪高裁(令和7年1月23日)判決

◆ 雇止め無効地位確認等請求が一部認められた例

学校法人SOLA学園事件

那覇地裁(令和6年11月22日)判決

◆ 休職期間満了退職扱い無効地位確認請求及び損害賠償等請求が斥けられた例

日本硝子産業事件

静岡地裁(令和6年10月31日)判決

◆ 亡職員の自殺につき甲府市に対する損害賠償等請求が一部認められた例

甲府市事件

甲府地裁(令和6年10月22日)判決

◆ 未払賃金等支払請求が一部認められ,損害賠償等請求が斥けられた例

フィリップス・ジャパン事件

東京地裁(令和6年9月26日)判決

◆ 期間の定めのない労働契約上の権利を有する地位確認が認められた例

TBWA HAKUHODO事件

東京地裁(令和6年9月26日)判決

◆ 管理監督者に該当しないとして,未払割増賃金等支払請求が一部認められた例

日本海洋掘削事件

東京地裁(令和6年9月26日)判決

◆ 解雇事由がないとして,解雇無効地位確認等請求が認められた例

Velocity Global Japan事件

東京地裁(令和6年9月25日)判決

◆ 適応障害が治癒し,休職事由は消滅していたとして,地位確認請求が認められた例

東京都葬祭業協同組合事件

東京地裁(令和6年9月25日)判決

◆ 未払賃金等支払請求が一部認められ,損害賠償等請求が斥けられた例

日都産業事件

東京地裁(令和6年9月25日)判決

◆ 未払割増賃金等支払請求及び付加金等支払請求が一部認められた例

秋吉工務店事件

東京地裁(令和6年9月24日)判決

◆ 管理監督者に該当しないとして,未払割増賃金等支払請求が一部認められた例

THotel竜王マネジメント・国・長野県事件

東京地裁(令和6年9月20日)判決

◆ 担当業務廃止に伴う整理解雇は有効であるとして,解雇無効地位確認等請求が斥けられた例

三菱UFJ銀行事件

東京地裁(令和6年9月20日)判決

◆ 配転命令は有効であり,ハラスメントも認められないとして,損害賠償等請求が斥けられた例

One人事事件

東京地裁(令和6年9月13日)判決

◆ 配転命令拒否を理由とする懲戒解雇無効地位確認等請求が斥けられた例

高見沢サービス事件

東京地裁(令和6年8月30日)判決

◆ 勤務成績不良等を理由とする解雇無効地位確認等請求が斥けられた例

SBIセキュリティ・ソリューションズ事件

東京地裁(令和6年8月8日)判決

◆ 合意退職は有効であるとして,元従業員の地位確認等請求が斥けられた例

NJH事件

東京地裁(令和6年7月25日)判決

◆ 法令違反の疑い等を理由とする解雇無効地位確認請求が認められた例

シティグループ証券事件

東京地裁(令和6年7月19日)判決

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